バベルの塔に阻まれる、海外フリーランスライターの葛藤

はたらきかた

海外フリーランスライターにとって、言語の壁は厚い

 

過去自信がなかった私の、唯一の自分への拠りどころは、
書くことを仕事にしていることでした。

でも、海外に来て、カナダに住んで、フランスに住んで、その好きなことたちが、できなくなってしまった!言語の壁に打ちのめされました。

別にカナダやフランスの公用語が日本語と思ってたわけじゃない(笑)、つまりそんなこと知識としては知ってたけれど、実際経験すると、こんなにか、と。

しかも「言葉」が好きなこと、だから、余計に。

やっとキャリアが構築されてきたライターの仕事は、言語の壁でインタビューもできない。全く意味をなさなくなってしまって。

バベルの塔は高い。

海外での「とりあえず皿洗いアルバイト」は自尊心をすり減らす

その仕事でなくても、これまでのライターの前の仕事では、日本でいろんなアーティストと働いたり、営業をしたり、それなりに自尊心を保って仕事をしてきたのに、ここ海外では日本食レストランの皿洗いかウエイトレスのアルバイトしか働き口がない。

そこに甘んじて少しの期間働いたけど、自分のやりたいこととずれていることがどうしても悔しくて、違和感で、風邪をこじらせたふりしてめっちゃすぐ辞めた。爆

20台後半、そこそこキャリアを積んできたはずなのに、どうして。

ものづくりは越境できる、ライターは越境できない

ものづくりや、技術や、絵は、言語を超えられる。越境できる。

でも、言葉はできない。だからこその深みが、あるとも思うのだけれど。

カナダで行った初めての英語の授業では、先生が何言ってるかわからなすぎて、どれだけその先生の顔を見ても、集中しても、何を言ってるかわからなくて。

この人の言っていることが、わかりたい。でもわからない。
悔しくて、屈辱で、授業のあと毎日泣いて、授業にしばらく行かず、挙げ句の果てに1ヶ月分の授業料を捨てた。つまり学ぶことを放棄した。

日本語で、すごく言葉のニュアンスを大事にしてきたつもりだったから、その理想の姿と現実のギャップが受け入れられなくて、もどかしかった。

フランスに来てから、カナダの経験でちょっと心臓に毛が生えたから、間違ってても恥より伝えることを優先できるようにはなった。

でも、友達と仲良くなっても、ここからが心が通じ合う会話、というところで、しっくりくる言葉を見つけられない。すごく大好きな友達に、優しくしてもらって、たくさん心の中で伝えたい感情があるのに、バカみたいに簡単な単語を繰り返すことでしか伝えられなくて、すごく悲しい気持ちでした。

心を慰めようとして、私のパワースポットの本屋さんに行っても読める本は一つもないし、、。

そこで向き合えばいいものの、ここで生活するのに必死で、「言葉」や「語学」に向き合う時間がなくって。

せっせと新しく始めた、日本語でできる物販の仕事に邁進していました。

ビジネスでどれだけ早く成果が出せても、語学は本当に積み重ね。理想の形での(フランスで、インタビューなど)ライターに戻れるその道のりは遠い。

その道のりから逃げることは簡単だし、生きていく、働くにはいろんな方法があるけれど。

一番やりたいことに向き合わなかったら、自己肯定感めっちゃ下がりますね。

ここ海外にいるのに、語学が好きなのに、日本語をたくさん使う仕事だけをしていることで、それが日本とフランスの、大地と大地の隙間にいるような気持ちになったことも度々ありました。

どこにも所属していないフリーランスということもあって、自分の立ち位置が、曖昧になっていく。

どこでも何時でも仕事をしていい 最強物販フリーランス!

でも、海外にいるからこそ始めたオンラインショップという物販で、フランスで生活していけるようになったことが嬉しかった。自信になった。

好きな時間に起きてもいいし、どこで仕事をしても良い。フランスの家でもいいし、フィンランドのカフェでもいいし、日本の実家でもできる。自分のショップだから締め切りに終われる受注型のフリーランスでもない。

 

とんでもない自由を、手に入れてしまった!

でも、たくさんのことを学んできた、その物販の仕事を、来年のあいだに全部手放すつもりです。

うまくいってる仕事を全部手放すことほど、勇気がいることはない。
かたち的には、「手放す」かもしれないけれど、バイヤーで培ったライティング、マーケティング、ブランディング、経営の力は、新しい道への装備として携えられるものだと思うし、何よりこれまで私のサービスに申し込んでくださった皆さんとの時間が、経験となって、その経験が守護みたいになっているから、心細くはありません。

もっともっと自分らしい働き方へのステージへ

もっともっと、自分らしくいれる、働き方を追求していきたい。

この地で、このフランス社会に、ちゃんと、入りたい。

そして、希望の働き方を実現できたことによって、日本に何かを還元したい。

そんなところを目指して、まだまだ、進み続けます。

 

ではではみなさん、メリークリスマス♪

Saki

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パリ在住のジャーナリスト、ファッションバイヤー。
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