BUYMAでスタッフを雇うまでのストーリー(外注さんと提携)

バイヤーノウハウ

(前回の「BUYMAで月100 万円利益出したときのストーリー」続きです。)

街がクリスマスイルミネーションに本気を出してくる、12月。

日本でもなんだか年々派手になっているような気がするけれど、パリの本気度はより一層、もう、なんというか、ハンパない。

シャンゼリゼ通りや、ブランド街があるサントノレ通り、同じくブランド街のモンターニュアベニューの本気さたるや・・・。

(絵本みたいな・・・これはシャンゼリゼ通り付近。)

(これはジミーチュウのデコレーション。きらびやかさに圧倒されてなんだか店内に入れなくて、ショーウインドゥの外からガン見していました。やばい客だったと思う・・・。窓に鼻はつけてないよ)

(これは確かDiorだったと思う。画像ではわかりづらいけれど、「奥行きの美しさ」というのに魅せられたのが初めてでした。あと「球体の美」・・・いや、これはすごかった。。。)

美的感覚に優れているわけでも、詳しいわけでもなんでもないけれど(興味ないジャンルの美術館とかは散歩くらいの速さで駆け抜けるタイプ)、さすがに美しさや世界観に圧倒されて、買い付けをしながら、「やばい・・・。」と独り言を言ったことも。

去年(2016年)は厳冬だったこともあり、冬物がとってもとっても売れました。

だからほぼ毎日その通り街に行っていたのです。鮮明に景色を思い出すのです。世間で言われているインスタ映えとはこのことか。よくわからなかった単語「ふぉとじぇにっく」とはこのことか、と思いました。

(フォトジェニック(写真映えすること)って多分こういうの・・)

素敵な街に住んでいるのに、忙しくて楽しめない

ただ、こんな素敵な景色を横目で見ながらも、いつもやることに追われていて、ゆっくり感じ入れたことはあまりありませんでした。

「帰って梱包しなきゃ。郵便局が閉まるまでに発送して、お客様からの問い合わせも溜まっているから返信して、宿題して、、」

頭の中は常に「やらなければ」のタスクでいっぱいでした。

 

そのモードの時は、あんまり遊びモードになれないので、せっかくの友達などからのお誘いもほぼ断っていました。断るか、ちょこっとだけ遊ぶとか。

秋頃のパリは、昼間は風のひんやりとした冷たさや、その匂いが心地よく、その中で並木道を歩くのもオツです。

どこもクリスマスムードに染まってきているので、夜には街の光や車のヘッドライトが滲んで、目を細めると光が混ざり合って、一つの街になる。心踊る景色が、目の前にはありました。楽しもうと思ったら、この世の楽園かと思えるくらいの、素敵な雰囲気がここにあります。それがパリ。

でも、せっかくパリにいて、素敵な友だちもいて、仕事も確立されてきた。でも、なんか、誰よりも楽しんでいないような・・・?という気持ちになりました。

ちゃんと毎日を楽しみたい、でもどうしたらいい?と考えました。

スタッフを雇って1日2時間作業を目指す

その時に、またバイヤーの師匠に、このもやもやを聞いてみました。すると「作業のような他の人に任せられることは任せて、自分にしかできないことに時間を割く仕組み作りをしましょう。1日2時間作業を目指そう!」という助言を受けました。

その時、私のやっていたことはざっくりと以下になります。

・商品リサーチ

・オンラインショップに出す出品画像の編集、加工

・アップロード作業

・お客様からの問い合わせ

・在庫確認

・在庫買い付け

・梱包

・発送

・経費計算

つまり・・・全部です。忙しかった時期というのもあって1日10時間はやっていたと思う笑!もともと仕事をするのが好き(好きなことなら。逆に、苦手なことをやろうとすると時が止まる。笑)なのもあるし、会社員時代からの癖で、止めてくれる人がいないと、ずーっとやってしまいます。

一通り自分でやってみて、どんな作業かを理解する必要はありますが、ずっと自分で全部やる必要はない。スタッフができれば、使う時間の質も変わるし、一人で仕事をしている孤独感もなくなるし、いいことだらけだと。

確かにこのもやもやした気持ちのままでは続けられないし、楽しくない。だからせっかくやっているけれど、求めている感じではないな。もっと求めている形に近づけたいな(求めている形というのは「バイヤーの仕事も楽しくやりつつ、できれば書く仕事に時間を割きたい」という形。)と思いました。

だから、聞いた通りスタッフを雇うことを、そのまま素直に実行することにしました。

そのとき思ったこと。大事なのは、素直に実行する。

もはやこれだけ。

↑本当に、これが重要です。素直にやるかどうか。

どんな事柄でも、やり方を知って、聞いても、そのうち本当にそれをやる人って1割なんだそうです。100人聞いて、実際にやってみようとするのが10人、もしくはそれ以下。続けるとなると、もっと減ります。3人とか。だから、やるだけでいいんです。難しいことは何もないと思います。本当に、ただ、やるだけ。

やるだけで、100人の中の3人に入れるのです。こんないいことってあるかな。(単純)

言い訳って無限に生み出せる

でも、やる前に「でも○○だから難しい、、」っていう言い訳っていくらでも思いつきますよね。どんな状況下にいる人でも、言い訳って無限に生み出せます。仕事が忙しいから難しい、子どもがいるから忙しい、お金がないから難しい、言語が話せないから難しい、、、

私は○○に当てはめることができるだろう部分は、状況や素質上いくらでももっていました笑。

例えばバイヤーの仕事に関しては「お金ない」「フランス語話せない」「パソコンが壊滅的に苦手」「ファッションとかブランド興味ない」「たまにすごい服の組み合わせをする(柄on柄on柄とか)」「フランスのビザもいつまで持てるかわからない」「飽き性」「ルーズ」とか・・・。

でも本当に単純で、深く考えすぎずに「いいなー!」と思ったらすぐに行動するので笑、(よくないこともあるけど)続けてこれたと思います。

パリに来たのも、よく「すごいなー」って言ってもらえるけれど、ただ行きたいなと思って、飛行機に乗って来ただけ。「パリ」っていうブランド力は世界的には本当にすごいけれど、私は別にすごくない。

でも「すごい」っぽくなるんです。来るだけ。遠いけど。笑

何をスタッフにお願いするか

だからまあそんなのと同じ気概で、まずはスタッフ(正社員ではなくアウトソーシング。外注提携です。)を募集してみました。でも、なんのスタッフが必要か?時間がかかっている作業で、他の人にもお願いできそうなことを探しました。

何に時間がかかっているか?

1)画像の加工や出品。

2)買い付けに行く時間。

3)問い合わせに返信する時間。

これらがまず頭に浮かびました。

で、

1)「画像の加工や出品」→素人の私より画像加工が得意で、在宅で隙間時間にやりたい人っているだろうな。在宅ワークを募集するサイトってたくさんあるので、基本その掲示板やサイトで募集しました。

2)「買い付けに行く時間」→フランスや他の国に住んでいる日本人に「このブランドに行って、この商品買ってほしい」とお願いすれば大丈夫そうだな。これも各国にある日本人が見る日本人コミュニティサイトのようなところで募集すればいいな、と思い募集しました。

3)「問い合わせに返信する時間」→これは、私的にかなり時間をかけて考えて返信しているので、誰かに任せられるかな・・・。と悩みました。

2つ目まではあまり抵抗がなくできたのですが、3つ目がなかなかできませんでした。なぜかというと、自身のオンラインショップの特徴として「丁寧な対応」とよくお客様から評価を頂くことに自信を持っていたのです。ここを私がやらなくていいのだろうか、と悩みました。これで自分のショップのクオリティが落ちたら、と考えました。

2つ目までと、3つ目は作業的な難しさに差はありません。どれもネット掲示板に書いて募集するだけ。募集の仕方なんてそのネット掲示板にメンバー登録するときにでも見られる「初めての方へ、使い方」とかなんとかで超丁寧に書いてあるし、そうでなくてもどこかの素敵なブロガーさんが懇切丁寧に解説してくれています。ググる、以上、です。

本当に心持ちの問題です。やっぱり自分でやろうかな、とも思ったんですが、結構メッセージを打つのってどんな方向性で返そうか考えて、言い回しを考えて、本当にこの人にこのメッセージでいいか?を考えて、、時間がかかりますよね。

でも、この時間を削れれば、本当に私にしかできない商品の新作リサーチやマーケティングにもっと時間をさけて、長期的に考えればショップにとってはいいことだ、と思いました。

だから、自分と同じ気持ちや価値観の人を探せばいい、と考え直しました。私の気持ちや価値観とそもそも近くて、理解してくれて、より有能なお返事をしてくれる人なんていくらでもいるだろう。誰かを信じてみよう、と。

だから、まだ見ぬたった1人の誰かに向けて、募集文を書いて、掲示板に載せました。

またこちらについてもおいおい詳しく書きますが、応募してからすぐ、本当に想像していた像ドンピシャの方からの応募がきたんです。Skypeで面談をしてその方と話したとき、もう、ひっくり返りました。(大げさ)それが、今の私の秘書さんです。

毎日仕事の連絡は取りつつ、いつも会うと、仕事の話はそこそこに(笑)、プライベートなことなども含め(というかそれが大半)なんでも話したり相談したりしています。お姉さんのような存在。つい先週も、、セーヌ川沿いのカフェで人生論から恋愛論までいろんなトピックを6時間も議論していました笑。

文章の力ってすごいな、と改めて感じる出来事でした。ちなみに、その募集文を書くのには、2週間くらいかかりました。ずっと2週間何100時間も考えていたわけではないですが、どんな人を自分は求めているんだろう、を考えることから始まり、その人の具体的な像を、隣にいるかのように、かなり詳しく思い浮かべました。そして、その人に当てて文章を書きました。

そんな感じで、スタッフを集めて、今はその有能な秘書さんと、各国に住む買い付け担当のスタッフ、出品をしてくれるスタッフ、と計15人ほどで活動しています。

去年の冬、一人でせっせとやっていたときより全然楽しいです。効率も上がりました。外注スタッフと提携して仕事を進めていくにも様々な段階がありますが、このやり方についてもまた書いていきたいと思います。

今年はクリスマスイルミネーション、堪能できるかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Saki

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パリ在住のジャーナリスト、ファッションバイヤー。
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