フランスでの結婚観についてと、日本はなぜ「結婚する・しない」の二択なのか

日々のパリ生活

お昼まで寝ていたので、夜に眠れなくて、電気も消した夜の中で、ぼんやりといろんなことを考えていたら、なんだか書きたくなってきたのでまた起きました。AM5時前。笑

部屋の灯りは控え目な暖色にして(無駄にムーディーになる笑)、パソコンに向かっています。アパルトマンの住民はまだほとんどバカンスから帰ってきていないようで、昼でも静かなのに、夜はさらにもっと、とても静かで、心地がいい。

先日、友人たちと話している中で、面白い話題が上がりました。

ホームパーティーの時にはみんなが手土産にワインを持ってくることが多いので、テーブルにはたくさんのワインが並んでいて、熟れた香りがほんのり漂うチーズも目の前にあって。

そんな中、いろんなトピックが入れ替わり立ち替わり宙を飛びかい、ワインをちびちびと飲みながら、23時頃に移ろったテーマは「結婚」について。

その時は、日本人だけ十数人の集まりで。男性も女性も、在住1ヶ月から10年まで、そしていろんな職業の人が集まっていて。いろんな意見があったんです。

フランスのカップル形態

ちなみにフランスでは、結婚をしている人も独身の人もいる、PACSを結んでいる人もいれば、結婚もPACSもしていないけれど子どもはいて、長く同じパートナーと暮らしている人、といろいろいます。いろいろなパターンの人がいすぎて、正直よくわからないくらい。笑(*PACSは結婚と同じ税待遇が受けられる制度。もともと同性愛者が結婚できないけれど同じ待遇を社会的に受けるために発足されたものですが、気軽さが受けて、今や男女カップルの方が使ってるっていう・・・笑。)

フランス在住日本人もいろんな意見がある

私たちは日本人だけれど、個人的に持っている意見、またフランスに住んでいる中で変化してきた想いがある人もいて。一人一人に意見があって、全然違って、全部とっても面白かった。

「結婚したい?したくない?」で始まった議論は、一人一人違う意見を拾っていきました。

「絶対結婚したい!」

「結婚はやっぱり幸せの形と思うからしたい」

「神様の前で愛を誓うという行為に意味がある」

「結婚なんてそもそも政府の税金対策。お互いが納得していれば結婚はしていてもしていなくても良い。」

「話し合ってしたいと思ったらしてもいい。PACSでいいんじゃないってなったらPACSでいい。」

「流れで」

「形はどうでもいい。むしろめんどくさいからしたくない。」

「結婚をわざわざする意味がわからない。」

「今は遊んでいたいから、○才ぐらいに結婚する」

「したい人はなんでしたいか理由を教えて??わからん!」

「する・しない」の二択どころではなく、本当にいろんな意見があって面白かった!フランス在住歴が長い人ほど、結婚に別にこだわらない、という人が傾向として多かった気がするな。

私の意見は「したいけど、本当はしてもしなくても、どっちでもいい。」派です。笑

まだフランスに来て1年だけれど、すぐにこちらの文化にしっくりきてしまった。笑 私の希望は「パートナーと毎日楽しく暮らすこと」です。それ以上でも以下でもない。だから、別に結婚という制度を絶対に取る必要はないかな、とも思うんです。そもそも政府が打ち出した税金対策だから、税金対策的にはいいかも?もしパートナーと二人で話すうちに、結婚という形がいいなと、その時思ったらしたらいいし、何もしなくても、毎日一緒にいるうちに40年とか経ったら、それでいいと思うんです。

やっぱり日本人として日本でしばらく育ったから、結婚というのが幸せの形、って言う意識はやっぱりあるけれど、怖いのは、それに縛られて自分の、相手の、些細な気持ちを見落としたくない。一択じゃないと思う。

一生を一本の線だけで見るのでなく、短期的に考えてみる

「短期的に考える」というのはよくない意味にとられがちですが、短期的に考えるって結構いいと思う。それって1日1日をちゃんと感じて生きるって感じがするから。「パートナーと今日も一緒にいて、本当に楽しかったー!」と毎日思うのってとても大切なことだと思います。別に結婚していてもそれはできるし、していなくてもできると思う。毎日毎日、繰り返し、そう感じたい。

結婚することに捉われると(結婚すると、ではなく「結婚することに捉われると」、です。)、どうしても長期的に物事を考えてしまいがちだと思うんです。それが少し怖いです。時に、日常の細かいことや、自分の些細な気持ちを無視してしまう可能性があると思ってしまうのです。

毎日毎日楽しく、相手の顔を見て、笑って過ごして、時にはいろいろあるだろうけれど、その毎日が積み重なって、気づいたら40年くらい経ってた、というのがいいな。そこに結婚という形が挟まっていても挟まっていなくてもいいけど。今のところそう思います。

なんだかこの話ができて良かったと思ったので書きました。日本にいる時は、なんだかこういう話ができなかったから。

ここ、フランスで、感じたことは、どれも少しも忘れたくないと思います。

日本は二択、それ以外は排除の雰囲気

個人的に感じていただけかもしれないけれど、日本にいる時は「結婚するか」「しないか」の二択な感じが蔓延している気がして。

だからよく女子会とかでも「アラサーだから結婚しなきゃ」みたいなテンプレート会話があったし、それが普通だと思っていた。

でも、ずっと心のどこかに違和感があって。それは「結婚したい」「したくない」ということではなくて「なぜ二択なのか?」ということに対して。でもその時は、自分がなぜ違和感があるのかすらわからなくて、「やばい焦るわー。」みたいなことを言ってたら会話がスムーズに運ばれるからそのテンプレート文を口にしていた。普通に楽しかったつもりだった。でも、違和感はずっと消えなくて。それは、自分で自分のその違和感にきちんと向き合っていなかったからだ。

「結婚すると日本では社会的信用があがる」ということがあるとも聞いた。確かにそうか、、?とも思うけれど、幸せをきちんと追求することを目の前にしたら、社会的信用はどうでもいいかな。

その前の日も、フランス人の友達の家で飲んでいて。(遊びすぎかな・・週末だからね)そこの友達のお母さんも一緒にご飯を食べて、飲んで、カードゲームをして。飲みすぎて酔ってソファーで寝ていたら、笑いながら気にかけてくれる友達がそこにはいて。

夜中の2時頃に、カメラマンであるお母さんが、シャッターを切りたいと言って、家の一角にあるスタジオで、私のポートレートを撮ってくれました。深夜、飲みすぎて頭が痛い私には、眩しすぎるフラッシュを何十回も浴びながら、そこにいる私が、確実に写真の中に残った。

フランスに来てからこの1年、どちらかというと辛いことの方が多かったけれど(SOSな時は、本当に周りの人にいつも助けてもらっている。)毎日、幸せを感じられるように、よく考えて、行動を一つ一つ、選択してきた。こんな学生みたいな楽しい毎日「いいのか、悪いのか?」って一瞬頭をよぎるけれど、いいとか、悪いとか、ではない。自分がどう感じるか、だと思う。

周りの目とか、一般論とかはもう決断の柱にせず、自分がどう感じるか、を大切にしていきたいです。

この記事を書くに当たって、結婚していた方が説得力があるんだろうかとか、していないから逆にいいかな?とか、ちょっとまた周りの目を気にしかけてしまいましたが、これも違うと思います。

だから要は、文章を深読みしたりしないで、「言葉を言葉通りに受け取って欲しい」なと思うんです。書いてある言葉は、そのままその通りです。

Saki

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パリ在住のジャーナリスト、ファッションバイヤー。
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